フライト・オブ・フェニックス

飛べ!フェニックス [DVD]

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フライト・オブ・フェニックス<特別編> [DVD]

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MOVIXさいたま
一人で


輸送機操縦士のフランク(デニス・クエイド)は、閉鎖が決まったモンゴルの石油採掘場から、スタッフと廃材を運ぶことになる。

しかし、飛行中に巨大な砂嵐に巻き込まれた一行は、ゴビ砂漠の真ん中に不時着してしまう。


わずかな水と食料で救助を待つクルーたちだが、何も出来ない焦りと不安ばかりが膨らんでいく。
そんな時、同乗者のひとり、エリオットが(ジョヴァンニ・リビシ)、機体の残骸から新しい飛行機「フェニックス号」を作ることを提案する。最後の望みをかけて…。


☆★☆★☆★☆★


1965年に製作された映画『飛べ!フェニックス』のリメイク作。
あたしこれ、子供のときに洋画劇場で見たんですよね。
パパがジェームス・スチュアート大好きだったもんで(「エアポート」シリーズも毎回連れてかれてたな、そういえば)


映画はじまってしばらくするまで気がつかなくて、リビシ(この「脇役の芸術品」さんは、やーっと名前が安定してくれましたわね。リビジーとかリビーシとかずーっと統一されなくて)くんが「飛行機の設計技師だ」って言い出したあたりで「あれ?この設定どっかで…」


30年近くも前に観た映画のデータが、検索すればちゃんと出てくる自分の脳内データベースは我ながら呆れるくらい優秀だと思う。
まあ、それが人生を過ごしていくうえで役に立つことはなにもないけども。


さてさてさてさて、この映画。


なんだかなあ。
悪くはないんですけどねえ。
冒頭の砂嵐の場面なんて「すげー!!!!」って、これだけで払った代金の元とれちゃったかもってくらいの迫力で。


でも、やっぱりなんだか「大味」でしたねえ。
30年たっても記憶の隅っこに残ってるくらいなんだから、オリジナルはそれだけ完成度高かったってことだわね。
まあ、今みたらやたらちゃっちいんでしょうけどもね、映像とかさ。


でもキャストは「お見事ですなり!!」でしたね。


オリジナルでは男ばっかだったんだけど、今回紅一点として「ロード・オブ・ザ・リング」のエオウィン姫ことミランダ・オットーが加わりまして、彼女が悪くないんだな
紅一点ではあるものの、極限状態につきものの「そんなことしてる状況ではないでしょ」みたいな艶っぽい場面が一切ないのが好感度大。


非常にやな奴として登場したのがヒュー・ローリー。スチュワート・リトルくんちのおとーちゃん。
この人がかなりあたしとしてはツボなんですけどもね。


ちょっと気になった癖のある男前ロドニーくん役のTony Curran
なんに出てたかなあ…「ブレイド2」のプリーストぢゃん!!(なんでこう細かい人まで登録されてるんだろ、あたしの脳って)
IMDBで調べたら「リーグ・オブ・レジェンド」のロドニー・スキナー…って、透明人間だからわかりゃしねーってば。
(あ、今リーグのこと思い出したらジェイソン・フレミングさまのジキルくんが浮かんで…いかんいかん)


デニス・クエイドはやっぱ好きだなあ。
メグ・ライアンはこの人と離婚したから捨てたバチがあたって転落人生なんだぞ、絶対。
最近整形失敗してすごい顔になったのもデニスを捨てたバチだぞ。
なんてまあ勝手なことを言っておりますが、この人はほんとに若いころぱっとしなかったんだけども40超えてから「いい味」出てきましたわね。
ハンサムでもマッチョでもない、ヒーローのタイプでは絶対にない。
でも、じんわりと「善良さ」「暖かさ」が伝わってくるという、いてくれると安心してしまう、そんな存在ってとこかな
(逆に悪役となると駄目だよな。「トラフィック」の彼、チンケだったもんなあ。ああいうのも好きだけども)


そしてジョヴァンニ・リビシくん。
初めてチェックした「プライベート・ライアン」以来「スカイキャプテン」「ギフト」「60セカンズ」「閉ざされた森」「フレンズ(フィービーの弟役。大好き)」など、ほんとここ数年「会い」まくってるよな
あたし「ロスト・イン・トランスレーション」も「コールド・マウンテン」も観てないんだけど、彼が出てるって知ってたら観てたなあ。


とにかくまともな役はやらない。たぶん意図的にそうしてるんぢゃないだろうかって気はするんだけど、とにかく一癖も二癖もある「濃ゆい」キャラを演じることが多い。
今回も「いったいこいつは何者でなにを考えているんだ」と、「オチ」を知らない人にはかなり不気味な存在をやってくれましたねえ。
善人をやっても悪人をやっても、とにかく濃ゆい。そしてその「濃ゆさ」は毎回きちんと微妙に違っている。
あたしが一番好きなのは「ギフト」んときのバディ役なんだけど(あの車の中からケイト・ブランシェットに向けた表情の意味がわかったときには涙したぜ)、今回の彼もまあ、ほんとに良かったです。


うん、砂嵐の迫力と、デニスおぢさんとリビシくん。それで十分たのしめたからいいか。
「大味」で「なんだかなあ」ではありますが、キャストで楽しめたからアリといたします。DVDはたぶん買わないだろうとおもいますが。