復讐者に憐れみを


新宿武蔵野館
みなみちゃん・マイケルさん・なっしーと

聴覚障害者のリュ(シン・ハギュン)は、病気の姉を救うため自分の腎臓を移植するつもりだったが、血液型が合わない。
さらに、勤務先の工場を解雇され、わずかな退職金も、臓器の密売人に騙し取られてしまう。そんなリュに、恋人のヨンミ(ペ・ドゥナ)は、工場の経営者ドンジン(ソン・ガンホ)の娘を誘拐しようと持ちかける。金と引き換えに、娘は無事に帰すつもりだった。
ところが、思いがけない事故で娘が溺死し、ドンジンは犯人への復讐を誓う。
一方リュも、密売人に復讐を始める…。


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(とりあえず記録だけしておきます。いずれちゃんと感想書く予定)


とにかくとんでもない作品だったよな。
終わってから暫く余韻が抜けなくて。

哀しく、痛い。笑えもするが、愚かで、凄惨。

オールドボーイ」へと繋がる「復讐三部作」の一本目。
作品としての完成度は「オールドボーイ」のほうが高いかもしれないけど、頭や心に残るという点では(あたし的に)こっちの圧勝だと思うのだ。

ドンジンがリュに言う
おまえは優しい人間だ。だから俺が復讐するのもわかるな?

この台詞がほんとに心にのしかかってたまらんかった。


悪人善人の境界線がない。殺すほうにも殺されるほうにもそれぞれ理由がある。

リュもドンジンも優しい人間で、愛するものを失いたくなかっただけだったのに。
歯車がかけちがってしまって、「後味の悪い最悪のパイ投げ合戦」みたくなってしまったんだなあ。

今思い出して、またしてもどよーんって気分になってしまった。

「好き嫌い」でいったら「嫌い」な作品。でも「いい悪い」でいったら「いい」作品。

とにかく刺激的で衝撃的な作品だってことだけは確かです。

お勧め!!とは言い切れないけれど、いろんな人に観ていただきたい、そして感想を伺ってみたい、そんな作品ですな。


【余談】
最後の「ねーちゃんの台詞」はいらんかった気がする。
誰かあの「伏線」を忘れた人がいるかもしれないからって配慮だったのかしら。なんだかな。