デビルマン

デビルマン プレミアムセット [DVD]

デビルマン プレミアムセット [DVD]

1回目 MOVIXさいたま ひつじちゃんと
2回目 丸の内東映 かお(姪)と
3回目 古河光映会館 むっちゃんと


平和な高校生活をおくっていた不動明伊崎央登)は、無二の親友、飛鳥了伊崎右典)の父(本田博太郎)の研究所で恐るべき光景を目撃する。
新型エネルギーの開発を行っていた了の父は、地中深くに眠っていた未知の存在に寄生され、不気味な姿に変体していた。
驚きで立ち尽くす明にも寄生物が乗り移る。それはかつて地球を支配していたデーモン族の魂だった。
見る見るうちに獣のような姿に変身していく明。だが明の強靭な精神はデーモンの浸蝕を撥ね返す。
悪魔の体に人間の心を持った異形の存在−デビルマン誕生の瞬間だった。その日から明の悪魔退治の日々が始まる…。


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原作を小学生の時に読んだっけな。
牧村家の襲撃があまりに衝撃的で、ガキのくせに人間の集団心理の恐ろしさに震えたもんでしたね。
今読んでもこの作品は凄いと思う。
(あくまでも原作。アニメのほうはまあ悪くはないんですけどもね)

そんなデビルマンが実写化される。
(行く前の気持の流れ)

…うーん…
…無理でないのか?あの作品を二時間かそこらの尺になんてなあ
…でも、観たいっちゃ観たいかもな
…明と了はフレームとかいうジャリタレだと?観るのやめようかなあ
シレーヌ富永愛さまが?…すげー観たいかも!!!
でもまあ、観るか。

試写会を観た人の感想は、不安を煽る。


「一分の隙もなく常軌を逸している 」
「上映禁止にすべき 」
「あれは無かったことに,,, 」
「お金をとれるモノじゃない 」

うーん…どうしよう…でも、富永愛さまのシレーヌは観たい…観るか。

というわけで、行って来ました、台風来てるってのに初日にね。

いやあ、凄い作品ぢゃないですか。
「凄い」ったって、ストーリーが完璧とか、映像が凄いとか、そういうんぢゃないです。

でもさ、これってある意味大傑作ですわ。

あの凄まじいばかりの原作を、どうやったらこんな「少林サッカー」さえ霞んでしまうくらいの「お笑い映画」にしてしまえるんだか、
だからそういう意味ではこの監督と脚本の那須夫妻は天才かもしれない。

というわけでつっこみどこ、笑いどこについて書いていきたいと思います


●ゴージャスな学芸会

宇崎竜童夫妻、きたろうさんを除いては、殆ど見事なくらいの学芸会レベル。
主演の伊崎さんちの双子が、特に弟の方が眼を覆いたくなるなるくらい凄惨で壊滅的な演技の下手さ。
ふれーむファン(サタンくんを熱愛してるそうだ)の姪に聞いたところ
【あの子は音痴だしダンスも下手なのよねー。演技もどうかと不安だったけどやっぱりね】…すいません、うちの中学二年生はこんな可愛くないやつで。

アルトマン作品みたいにいろんな人がちょこまか顔を出す。
「いったいこいつはなんのために…」ってくらいわんさかいっぱいうじゃこら。

…そうか、原作を好きな人が「ちょこっとでいいから出たい」って言ったんだな、きっと。いやわかんないけど




●はっぴーばーすでい でびるまん

これは笑った。ひつじちゃんはつんのめって、そしてあたしはのけぞって大爆笑こいてしまった。
この映画の中でも珠玉の場面ぢゃないかな。
ほんとに、シャレにならないくらい笑えた。
この瞬間にあたしはこの作品を笑って笑って笑い倒して観ることに決めた。


●うしくん〜

「うしく」くんという子が出て来ます
伊崎弟くんは肺に力がないから「うしくん」に聞こえる。

「うしくー!!」と叫ぶのがどうしても「うしくーん!!」…「かえるくーん」と返したくなるのを必死で抑えたです。
しかしこの「うしくん」、髪型が非常におしゃれなんだか滑稽なんだか。
指のリハビリも兼ねて自分でやってんのかしらね。


●危ないって
酒井彩名ちゃん演じる牧村美樹ちゃん。
朝からコックさんの帽子を被ってケーキを焼く…「サプライズパーティ」だって。
…本人の前でそんなあからさまなかっこしてケーキ焼いてたら、ねえ。
あ!!この伊崎弟の明くんならそんなことすっかり頭から忘れてきっと凄く驚くんだな。

危ないってのはこのイタイ行動ではないです。
お誕生日に貰ったバイクで通学するお二人。
美樹ちゃん、携帯のカメラで記念撮影。それだけで危ないってのに、バイクの後ろに立つんだもんな。
チャリぢゃないんだから、危ないってば!!

この映画がPG-12なのは、この場面が危険で「お子様は真似しないでください」って理由でなんでないのかなってちょっと思った。


●そんなとこにゃいねーよ
「うしくん」がピンチに陥り、「デビルイヤーは地獄耳」を駆使してうしくん探しをする明くん。

でもね、海の中にはいないから。うしくんの声、そっちからしてないから。
耳はいいけど目は駄目なのか?そういや「デビルアイ」ってのはなかったなあ。

結局森の中にいるんだもんな。デビルイヤーは地獄耳、でもうしくん探しには役立たず。


●働く日本人は素晴らしい

シレーヌデビルマンが高層ビル街でバトルします。
シレーヌについては哀しくなるので省かせていただきます。あのスワンのようなレオタードが哀しかったなあ)

普通窓の外でそんなどえらいもんが空中戦やらかしてたら、逃げるか窓にへばりついて見物するかでしょうに
でも、窓の中の黒い人影たちは仕事に夢中。
働く日本人、素晴らしい。あたしにはとても真似できません。
…ってか、そのくらいCGなんとかせーや。

●なんでまた
なんで農業試験場のおっちゃんがそんなでかい家に住めるんだか。
「嫁さんが金持」「いいとこのぼんぼんだった」って納得させるしかないかな


他にももうわんさかわんさかつっこんだり爆笑できる場面の連続。
これはもう笑わないと、ってか、笑わずにいるほうが無理ですって。

観終わって更に笑ったのがパンフの永井豪の文章。
「ボクの作品は全部実写化して欲しいと思っている」

マジンガーZはやめてくださいよ、ってか無理でしょう。
バイオレンスジャックとか凄ノ王とか。「ひといぬ」なんて実写で観たらあたし泣いて逃げ出すぞ。

そういえば、彼が神父さんで出て来たときも笑えたっけ。

なにはともあれ、わらかしていただいた。
唯一言わせていただくと、ラストのあの場面はいらなかったな。