スウィングガールズ

MOVIXさいたま
一人で

野球部の応援ブラスバンドのため、弁当を届けた補習組の友子たち。
ところが、その弁当を食べた部員が食中毒に。
ひとり難を逃れた中村は、次の試合までに即席ブラスバンドを結成しようと試みる。
集まったのは、友子たち落ちこぼれが17人。
仕方なく、17人で演奏可能なビッグバンドジャズを組み、早速練習を開始した。
次第にジャズの楽しみを覚えていくメンバーだが、本番前日、ブラスバンド部員が退院し、ビッグバンドは解散に。
気持ちが収まらない友子は、自分たちでビッグバンドを組むことにするが…。


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目標を失った高校生が、ふとしたきっかけで新たな目標に目覚め、これを達成していく。
まさに「ウォーターボーイズ」の女性版という物語構成。
ただその大きな違いは音楽映画である事。タイトル通り、ジャズのノリがポイントですね。
前半から矢口流のギャグが散りばめられ、小さな笑いを誘ってくれます。
しかし音楽映画というよりコメディ色ばかりが目立ち、正直こちら観る側の気持がスウィングするまでに至らなかったのが残念。

あたしが残念に思ったのはは音楽を主題にする映画でありながら、前半は笑いばかりに目が行く点。
もちろん楽器が扱えない子たちが上手くなっていく過程を追いたいがゆえ、音楽がそれをスポイルする事を嫌ったのかもなあ。
ただその後、最も大事な楽器が上手になる過程が端折られ、楽器を手に入れる過程ばかりにストーリーを割いた事も、そうしたノリの悪さの要因となったのかもしれないっすね。
音楽の使い方の巧い矢口監督だけに、もう少し何とかして欲しかった。

ウォーターボーイズ」と同じ韻を踏むのなら、それ以上の印象が欲しかった作品だったけど、これでは単なる二番煎じととられても仕方がないよなあ。
また物語的に山形弁と女子高生、さらにジャズという題材が生かしきれたとはいい難いんぢゃないかなと。
確かに彼女たちの表情は惹かれるものがあり、クライマックスの演奏後の表情には演技を超えたものが感じられたです。
ただそこから伝わる達成感は「ウォーターボーイズ」に及ばなかったと思う。
やっぱり達成感にはその過程を描く事が大事。演奏が良いだけにもったいないと思わせる作品でした。

面白かったけどね、確かに。でもDVDも買わないと思うし、テレビでやったときに観ればいいかなってとこですな



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