ヴィレッジ

ヴィレッジ [DVD]

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MOVIXさいたま
一人で

深い森に囲まれたその村では、人々が家族のような絆で結ばれながら、幸福な暮らしを営んでいる。
地上の楽園のような村には、決して破ってはならない三つの掟があった。
森に入ってはならない、不吉な赤い色を封印せよ、警告の鐘に注意せよ−。
誰が何のために掟を作ったのか、確かなことは誰一人知らないが、村人は森に棲むと噂される未知の生命体を恐れ、自分たちの世界の中だけで慎ましく生活していたのだった。
そんなある日、ひとりの若者ルシアス(ホアキン・フェニックス)が、村にはない医薬品を手に入れるために、禁断の森を抜ける許可を申し出る…。


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毎回、毎回、ラストのオチを要求されてプレッシャーかかってるんじゃないかとシャマラン監督を心配してましたさ。
でも、なんか本作で思うに、最後のオチはストーリ構成のために観客にサービスしている部分が大きく、
物語の本質としては純愛ストーリーをただただ描きたかったんだと感じましたね。

だって、最近のハリウッド映画で手を握っただけで、あれだけ熱くなることってないですよ。
ヨーロッパ、アメリカの文化に浸かった人にはどうかなって思われてしまうかもしれないけど、
そういう純粋なところを描いた映画を観てとほっとしましたさ。ほっとできた自分にもほっとしたけどね、まだ(人間として)大丈夫だって。

過去の作品で衝撃を受け、本作でもそれを望んでいる人にはちょっと物足りなかったのかも知れないけど、
あたしはシャマラン作品の中でこれが一番好きかもしれない。
完成度の高さでは「アンブレイカブル」だけども、内容の深さとか心に残るって面ではこの作品は随一だ。

観終わったあとにパンフを読んで「ああ、こういうとこにも細かい仕事してるんだなあ」としみじみ。
シャマラン映画は「重箱の隅つっついてほじくり返すと、新しい発見がいくらでも出てくる。
でも粗は見つからない」っていうあたしみたいな「つっこみ映画鑑賞」好きは「つっこみ封じ」をかまされてしまう。
それでもこういう作品に出遭うと「お見事です!!」と素直に喜べてしまうんだよな。

世間が酷評してもいいんだ。あたしはこの映画、ほんとに滅茶苦茶いいと思ったです。