シルミド

シルミド / SILMIDO [DVD]

シルミド / SILMIDO [DVD]

古河光映会館
一人で


死刑囚のインチャン(ソル・ギョング)は、他の囚人たちとともに孤島シルミドへ送られた。
彼らはそこで、空軍のチェ准尉(アン・ソンギ)の下、北朝鮮金日成の首を取る秘密特殊部隊として訓練を受けることに。
訓練兵たちは、任務を終えれば社会へ戻れると信じ、過酷な訓練をこなしていく。
そして、遂に出撃の夜がやってきた。
しかし、兵士たちが死を覚悟して海へ出た時、突如、命令は取り消される。
北との歩み寄りへ方針を変えた政府は、チェ准尉に部隊の抹殺を命じるのだった…。


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30年前のお話だそうですけど、「当時を忠実に再現」というより、本当に30年前の作品を見ているようなリアルな撮り方をしてあるような気がする
(表現が乏しくてあたしの言いたいこと、うまく伝わるかな・・・)。
国は違うけど、自分の子供の頃の街の感じとか妙に重なるんだな。


オープニングクレジットがないんですね、この映画
キャスト紹介なくて、いきなしタイトル。


これ、「存在を消された男たち」っていうことにひっかけてあるみたいですね、パンフによると。
うまいなあ、こういうのって。


ソル・ギョングっておーすぎれんに似てるなあとか、やっぱ、チョン・ジェヨンは田辺誠一に似てるよなあとか、
うわー、ホ・ジュノかっくいー!!とか、アン・ソンギかっくいーっすーとか、
重たい内容だってのにはしゃいで楽しむあたし。


なんせ前知識を一切入れずに観たもので、これが実話ベースだってことも、悲劇だってことも知りませんでした。
本気で途中まで友情と再生の話だとばかり思ってましたから。
訓練場面なんて「き、き、筋肉の祭典だあああああ!!」と生唾もんで大喜びしてましたしね。


だからこそ、クライマックスはとにかく、泣けました。
泣くっていっても号泣ではないんです。
あまりのことに茫然としてしまい「ど、ど、どうしよう…」


なにが「どうしよう」なんだか説明できないんですけど、さらに「ご、ごめんなさい!!」と謝罪してました。
そしてふと気がつくと、涙腺は既に大決壊を起こしていて、涙が滂沱と溢れて止まりませんでした。


今年の1本目、「ミスティック・リバー」では、終った後に軽い放心状態に陥った。
そして今回、まだ上映中だというのに、それに近い状況になっちゃってたんですねー。


「力のある作品」ってこういうのを言うんだろうな。
有名どこってかいわゆる(日本で)【客を呼べる】キャストはアン・ソンギを除いたらそんなにいないだろう。
ホ・ジュノもソル・ギョングもあたし大好きだけど、「知る人ぞ知る」って感じだし(違ってたらごめんなさい)
ブラザーフッド」とは偉い違いだなあと、ふと考えてしまう。
でも、あたしはこの同時期に観た二作品では「シルミド」の圧勝だと思う。


ほんとうはこのあと、もう1本観ようかと思っていたんだけど、
「今日はどの映像でもこの映画を上書きしたくない」と思って、やめた。


DVDは買うだろうな、間違いなく。
でも、終ったあとにくる重圧感とか考えると、買ったはいいけどなかなか観ないってことになりそうですけどね。