スキャンダル

スキャンダル [DVD]

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大宮シネマリゾート


李朝高官の妻・チョ夫人は、豊富な女性遍歴を持つ従兄弟のウォンに、夫の側室を誘惑するよう持ちかけた。
しかしウォンの狙いは、9年も操を守り続ける未亡人ヒヨン。
そこでウォンは、初恋の相手でもあるチョ夫人と、ヒヨンを落とす賭けをする。
ウォンの熱心な求愛を受け、ヒヨンは遂にウォンの手に落ちるが、チョ夫人に諭されたウォンは彼女に別れを告げてしまう。
ショックでやつれ果てたヒヨンを話の種にするチョ夫人。それを聞いたウォンは、初めてヒヨンへの愛に気づくのだが…。


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行こうかどうしようかかなり迷った。
ヨンさまに興味はないが、なんせ「危険な関係」が大好きなので足を運んだ。

ジュラール・フィリップの「ってかこれ、ありえねーだろ」ってくらいの美貌
リメイク版のジョン・マルコヴィッチの狡猾さ(そしてあたしはこの映画(と「から騒ぎ」)のキアヌだけは褒める)

そーんな曲者ぞろいが歴代演じて来た役をヨンさまはどう演じるんだろーかなと 興味はあった


いやあ、まいりました。
冒頭いきなり、ヨンさまの腿にもじゃもじゃと黒い毛が…

うひゃー

あたし、別にファンでもなんでもないけど、あれには引いた
(毛深い男は苦手なんだよぉぉぉぉぉ(T0T))


ま、つっこむとこ満載で面白かったっちゃ面白かったけどね

「あんな稚拙な方法で女が陥落するんだったら、うちの亭主や義弟なんて世界を征服できるんぢゃねーか?」
(二人とも百戦錬磨の天下無敵の女蕩らしくんです)

「処女をいきなし臍から攻める男、ヨンさま」

「処女をいきなし座位に持ち込む男、ヨンさま」

「天主教徒ってのは自殺をしちゃいけないんぢゃなかったっけ??」

「ってーか、てめーら全員ツメが甘い!!!!」


うーん、内容については「ジュラール・フィリップ版&マルコヴィッチ版の圧勝」ってとこですねえ
まあ、あんな稀代の美形とくらべたら、そりゃヨンさまが可哀想ですけども。

とりあえずマルコヴィッチ版を観てから行ったんですけども、後半で、両者の違いがはっきりくっきり。

危険な関係』は、人を裏切ったり裏切らせたりしても、自分が裏切られることなど考えたこともなかった傲慢なメルトゥイユ夫人が、
復讐の為に利用した高慢なバルモン子爵に復讐されることによって破滅を迎えるラストが圧倒的んですよね。

観客は、そこでひそかな達成感を図らずも感じてしまい、
自分達もバルモン子爵やメルトゥイユ夫人と、何ら変わりのない人間であることに気付かされる。
それと同時に、復讐の虚しさも感じさせられる、と。
(まあこれは、あたし個人が感じたことですので、そう思わない人もいると思いますけど。)
そういった観客への皮肉に富んだ鋭い切り返しが、この『スキャンダル』にはありませんでした。

ラストシーンを観て、この作品の監督は自分なりの恋愛物語を描きたかったのだな、と思いましたので、
それはそれで満足しなくちゃいけないんだろうけども。

しかしなあ、「結局みんな純粋な愛だった」ってオチは好かんな、あたしは。


とりあえず、ヨンさまの黒い毛に引いた。それがアタマに1番残っていることかな

いずれにしろ、衣装も色彩も美しかったので、一見の価値はあると思いますわ。