半落ち
- 出版社/メーカー: 東映
- 発売日: 2004/07/21
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丸の内東映
ししょーと
元捜査一課の警部で現在は警察学校の教職に就く梶聡一郎(寺尾聡)が、妻を殺害したとして自首してきた。
聴取を担当するのは捜査一課のエース・志木刑事(柴田恭平)。
梶の自供によれば、アルツハイマー病に苦しむ妻・啓子(原田美枝子)の「殺して欲しい」という嘆願に、止むに止まれず首を絞めたという。
だが謎が残った。
梶が出頭したのは事件の3日後だったのだ。
空白の2日間に何があったのか。
梶の人柄を信じる志木は粘り強く尋ねるが、梶は頑なに黙秘を続ける。
やがてマスコミが騒ぎ始めると、事態の収拾に焦る県警幹部は、供述の偽装を画策する…。
☆★☆★☆★☆★
周囲で評価は真っ二つ。
「中途半端」「救いがない」「凄く良かった」
でも、あたしはアリだった。
「いい映画観たなあ」としみじみした。
あたしが好きな場面
○梶に助けられた少年が梶に生きてほしいと訴えるシーン
ここ、寺尾さん、柴田さん、少年に加えて護送車のおっちゃんがこれまたよくて。
涙腺あと一歩で爆発っした。後ろのひとが号泣してたので、危うく免れましたけど
(あたしは誰かが先に泣いてしまうと、途端に素に戻ってしまう体質です。例外もあるけど)
この場面で、過去に彼を救った梶は、彼に救われたんだろう(ってあたしには思えた)
二人の家族を失った梶には彼の言葉だけが、生きる希望を取り戻す最後のチャンスだったんだろうな。
「志木さん、えらい!!」とつぶやきましたね、あたしゃ
○弁護士の稲村(國村隼さん)が取材陣に囲まれそれをテレビで見ている彼の娘が「お父さんは何か悪いことをしたの」と涙ながらに語るシーン
「おとうさん、悪い事できない人なの」と娘を抱き締める稲村夫人(高島礼子)がこれまた良い。
國村さんは文句なしにうまいですものね。
彼が出ると知った瞬間、その映画に対する評価が無条件で上がると言う悪癖がありますが、それをさっぴいてもこの映画はいいです。
でも、國村さんの存在があったから、更に評価アップしちゃったってのはまあ、ありますけどもね
泣いたのは、きききりんさんの「あたしは妹に何もしてやれなかった。殺してやることさえもできなかったんです」って台詞
…これは泣きました。一気にどかーっときました。ら
そういえばラジオで寺尾さん本人が言ってました。
「映画の前半、梶は目の焦点が合っていない。どこを見ているのかはっきりしてない」
確かに物を「みる」という事はそこに意思とか理由が働くわけで、そう考えると梶の心の不透明さがよく表れていましたね。
ストーリーもだったけどキャストでもかなり楽しめた
伊原剛志、本田博太郎、嶋田久作&斎藤洋介(そういえば今回「字幕つけてくれ」ってならなかったな、この二人)を初めとして
奈良岡朋子さんや井川比佐志さん、他にもおいしい人がたくさん。
でも、吉岡秀隆はどうもなあ。
彼の演技力はたいしたもんだと思うけど、この役はどうしてもミスキャストの感が否めないっすね。
うん、吉岡君以外は、よくできた作品でした
原作読んだ人の意見だと「かなり原作に忠実」とのこと。
登場人物の心理状態をもっと掘り下げてあるみたいだから読んでみようかな。
「人前で読むと泣いて恥ずかしいよ」とのことなんで、ちょっと場所選ばないといけないみたいだけども