ラスト サムライ

ラスト サムライ [DVD]

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大宮ロキシー
一人で


19世紀末。南北戦争の英雄、オールグレン(トム・クルーズ)は、原住民討伐戦に失望し、酒に溺れる日々を送っていた。
そんな彼が、近代化を目指す日本政府に軍隊の教官として招かれる。
初めて侍と戦いを交えた日、負傷したオールグレンは捕えられ、勝元(渡辺謙)の村へ運ばれた。
勝元は、天皇に忠義を捧げながら、武士の根絶を目論む官軍に反旗を翻していた。
異国の村で、侍の生活を目の当たりにしたオールグレンは、やがて、その静かで強い精神に心を動かされていく。


☆★☆★☆★☆★

予告の時点で、一切期待なし。


どうせ、またこっぱずかしいハリウッド製「日本」だよな〜とタカをくくって臨みましたが・・・
あたしが間違ってました。ゴメンナサイ、ヒロタロー。


そりゃ時代風俗考証は期待通りツッコミどころ満載でしたが、一般的な欧米観客のウケを狙えば許容範囲。
従来に較べればずっとマシ。


渡辺謙は迫力の存在感。さすが独眼竜正宗。
「わたくしにお命じ下さりませ、殿」こう言ってひざをつきたくなるようなものがある。
ときどき猫背が気になったけど。身長差配慮か?
トム・クルーズが時に見せる受けの演技も○。20年近く世界的スター張ってる余裕が感じられます。


だからこそ敵対>理解>友情のプロセスがありがちな演出で語られてしまうのが惜しい。
自滅的な戦争の英雄の心境の変化がセリフとチャンバラで説明されてしまうのが物足りないのよね。
惜しいなぁ〜、実に惜しい。


しかし、トムちんを食ってしまう役者が、まさか同じ国にいたとは驚きました。
あのトムちんが渡辺謙と並んで映ると、サムライというよりもやさしいお兄さんみたいに見えてしまう。
もう誰も彼を止められないと思っていたら…あたしが間違ってました。ゴメンナサイ、ヒロタロー(しつこい)。


真田さんは、いい。
例によって真田熱(真田さんの出てる映画を観ると、短期間だけど真田広之に怒涛のように恋をする。佐藤浩市熱ってのもある)勃発っす。
出陣の前の舞いの美しかったこと。
「おーっほっほー」と思わず奇声が…良かった、一人で。良かった、映画館ガラガラで
(大宮の映画館は、隣の駅にマイカルが出来たもんで、(ボロいこともあるけど)いつもガラガラなのだ)


おいらが泣いてしまったのは(激しくネタバレざんす)真田さん退場。
鉄砲に撃たれるんだものな。
「侍は、自分の刀で死ぬか、敵の刀で死ぬかだ」という勝元が言った台詞がそのシーンで思い出されて、
せめて刀で死なせてあげたかったな・・・と思っちゃいましたよ。


渡辺謙さんの息子がまた可愛いんだな
観るまでずっと金山一彦だと思ってました。だって予告だと…あたしが間違ってました。ゴメンナサイ、ヒロタロー(だからもういいって)
馬上から弓を射る…これに弱いの、FEでは騎馬弓兵徹底的にエコヒイキして育てるし(あ、MUSAんときにも書いたっけ)
ガキんときに鎌倉で流鏑馬を見たことがあって、それがあまりにかっこよかったからなのかもしれない。
もとどり切られてからの姿にあたしは勝手に命名した。「レゴラス」(そのまんまや)


彼との「別れ」の場面、謙さんの瞳がたまらなく良い。あたしまぢで涙腺爆発こきました。



この人を忘れてはいけません。
真田さんが出ていても観る気がなかったこの作品に足を運ばせたのは、ティモシー・スポールの存在。
トムちんの通訳やってた、写真家のデブ。
いろんな映画で見かける、名バイプレーヤーです。


初めて「逢った」のは、あたしがジェイフと出会ったマーク・ウォルバーグ主演「ロック・スター」。
感動的な「小便」の話をしてくれる、ドラゴンのマネージャーさん。大好きになった。


次に逢ったのは、ケネス・ブラナーの「ハムレット
ローデンクランツとキルデンスターンのどっちか(あたしは未だにこの二人、どっちがどっちか…)
「やっぱいいなあ、この人」


その後、「バニラ・スカイ」とかで再会を繰り返し(あ、この作品は確か彼の存在で足を運んだんだっけな)、今回また逢う事ができた。


おいしいっす。たまらんっす。下品っちゃ下品な佇まいなんだけど、異常に愛すべき存在。
トムちんを出迎える登場場面「うほー」…よかった、一人で。よかった、映画館ガラガラで。


堪能しましたね、満足です。次はどの作品で逢えるのかな♪


謙さん良し、真田さん良し、小雪さん良し(台詞少なかったからかな)、レゴラス良し、トムちんよし、ティモシーくん良し。
そして、あたしがとにかく感動を覚えた存在がいらっしゃいました。


試写会行った人から聞いてたんですが、
トムちんの横にずっといるじーさんが、目立たぬ切られ役ばかりを演じてきた方だそうで。
この映画を最後に映画界を去られるそうで、最後にこんな素晴らしい映画に出れたことに感謝されていたとか。


トムちんが「ボブ」と呼んでましたので、あたしもそれにならってボブと呼ばせていただきます。
この映画での役も静かな存在でしたが、とてもいい役でした。


ボブの「あるぐれんさんー!!」…きましたね、ここは。
最後の仕事がこんなに素晴らしい見せ場で締めくくれて、よかったですね…なんて知合いでもないのにお祝いを言ってしまいました。


みんな良し、そしてボブも良し。


うん、まるっきり期待がなかったのが良かったのか、かなり満足して帰途につきました。


もっかい観るか?って聞かれたら「んー、DVDでいいっす」なんだけど、人に薦めるかって聞かれたら「全然おっけー」です


というわけで、2003年最後の作品はこの「ラストサムライ」。
(作品、です。28日に「MUSA」「昭和歌謡大全集」観てるんで、締めは昭和歌謡になりましたんで)


142本、102作品…うん、まあ、結構頑張ったな。


2004年は…本数と作品数の差を少し小さくしないといかんかもですな。
まあ、気に入ると何度でも観てしまう傾向は生涯治らないと思うので、無理でしょうけども。