ラブストーリー

ラブストーリー [DVD]

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有楽町・よみうりホール
みはるちゃんと

女子大生ジヘは友人から、演劇部の先輩サンミンへのEメールの代筆を頼まれる。
ジヘも先輩へ密かな思いを寄せていたが、奥手な彼女は打ち明けることができない。
そんなある日、ジヘは家の棚から小さな木箱を見つける。その中には35年前に書かれた手紙と日記帳があり、若き日の母の初恋の物語が記されていた。
高校生ジュナと親友のテス、そして2人の想いを集めた若き日の母ジュヒの日々を…。


☆★☆★☆★☆★


試写状の紹介文読んだ時にはあんまし期待してなかったんですわね
韓国もの好きだけど「秋の童話」「冬のソナタ」とか駄目だから。


…ごめんなさい。ほんっと、ごめんなさい。
軽く見ていてごめんなさい。


今年こんなにとんでもなく号泣したのは、新年早々「壬生義士伝」試写に行った時以来かも。
涙腺うるんだり爆発する映画は結構ありましたさ。でもまぢでえぐえぐぐしぐし状態は、壬生以来だ、多分。
…「号泣警報機」発動してるのがこの二本だけだから、間違いないな。


この作品の主人公たちは、今どきの若者ではなく、年齢の割には手をつなぐことさえドキドキするような幼い恋をするんですよ。
そこには「もし自分がこんな初恋をしていたら」という“理想の初恋”が込められているんだろうなあ。
少なくともあたしはそうだし。
(あたしの初恋は確か悲惨だった。好きな相手を目の前にすると緊張してわけわかんなくなって毒舌かましまくるという悪癖で
相手に物凄く嫌われた)


きっとね、みんな映画を見ている間、ふだんは自分の心の底にしまわれている思春期の感情を、再起動されてしまうのだろうな。


(今この時点で既に試写三回観ております)


みんないい人なんだ。ジュヒもテスもジュナも。
(あ、あたし娘のほうの恋愛はどうでもいいんです。重きを置いてるのは母の代の恋愛なんで)
みんないい人間だから、みんなが哀しいの。


ジュナの笑顔がいいんです。病院での哀しい笑顔がとんでもなく切なくて、哀しい。
二回目に観たときには、登場してジュヒと出会ってからの笑顔が、全部この病院の笑顔につながってて、
あたしゃ周囲がまだ泣いてもいないうちから泣いてました
演奏会でジュヒに花束渡してるときとか、会場で泣いてるのあたしだけだったよな。ごめんなさい
ってか、最初のホタル(ネタバレですが、ホタル場面は二つあります)のほうでも泣いてるのはあたしだけだったさ。ごめんなさい


ジュナは本当に哀しい。
身分の差とか、そういうのってやっぱり超えられない壁なんだよな。それでもな、って。
ハリウッド映画で「だから絶対無理だっての、ありえねーっての」と毒舌かましてるあたしだけど、彼には幸せになってほしかった。
猟奇的な彼女」のときのように奇蹟が起こらないものか、と。
奇蹟はたしかに起こったけども、あたしあの瞬間、それまでたまってた感動がいっきに崩れた音がしましたね、耳元で
(後述しますが、この映画でこれだけはいただけませんなーと思ってるのが、この奇蹟ざんす)


そして冒頭はバカなキャラ(=非常においしいヤツ)だと思ってたテスが、途中から1番愛おしいヤツになりました。
こいつ、ほんとにいい奴なんですもの。
親の決めた婚約者を「一人の女性に縛られない主義」のくせに本気で大事にしたいと思ってしまった男。
その本気で好きな相手が自分の親友を愛していると知り、涙なしでは観れない行動に出てしまった男。


「テスは、悪い奴だ」
「テスさんは、優しい人よ」
「優しすぎるから、悪い奴なんだ」


そんな優しすぎる悪人テスが、すべてを丸く収めるために取った行動…あたしゃ泣きました、まぢで。
後半、あきらかにヅラとわかる髪形で、笑いを誘ったとしても、それでもあたしゃテスが好き。


彼のどこが1番好きかっていいますと、【ウィンクがセクシー】
こんなセクシーでかっこいいウィンクできる男は、あたしゃガンダルフ(ろーどおぶざりんぐ)くらいしか知りません。


「決断」の前のウィンクさえ、とんでもなく哀しいけど、とてつもなくセクシー。


哀しくてセクシーで可愛くて、特技は「おならで新羅の月夜を演奏すること」…バカなとこも好き。


自分がジュヒだったとしたら、あたしはテスを選ぶだろうなあ。
いや、テスんちが金持だからとかでなくて(ちょっとあるか…わかんない)、ジュナよりテスのほうが気持ち的に楽だろうから。
ジュナを愛して愛されるってことは、幸せなことだけど苦しいことだと思うわけだ。生活環境の違いとかあるし。
「結婚は、二番目に好きな人とすると幸せになれる」っていうの、多分こういうことなのかもしれないなあ。
いや、わかんないけどね。あたし自分が1番目に好きな人とも2番目に好きな人ともしたわけぢゃないから。
(一番目と二番目はナイショざんす。墓までもっていく秘密ですわ、多分ね)


いや、実際、この映画はベタです。はっきり言ってダサイです。見せ方も上手ではないです。
でも、それでもいいんですよ。


義弟の「一度でも本気で恋愛したことのある人なら「ださいけどいい」っていう意味がわかる映画かもしれませんな」って言葉どおりの作品。
そして、一応あたしも本気で恋愛したことある人間ですので、そういうの全部が「再起動」しちゃったんでしょうね。


というわけで、1年の最後になって、こんな作品に出会えて、あたしは非常に幸せものでございます。
(あ、でも、これは公開が1/24だから、2003年のベスト作品は「昭和歌謡大全集」で動きませんが)