マイノリティ・リポート

マイノリティ・リポート [DVD]

マイノリティ・リポート [DVD]

池袋・サンシャイン劇場
一人で

2054年、ワシントンD.C.。
全ての殺人はプリコグと呼ばれる予知能力者3人により予知され、
犯行前に犯人はジョン・アンダートン(トム・クルーズ)率いる犯罪予防局によって逮捕されるという完璧なシステムにより、犯罪は激減していた。
しかし、ある日、プリコグの思いも寄らぬ予知により、アンダートンは逃亡者になるハメに。
それは、36時間後に会ったこともない男を彼が殺害するという予知だったのだ…。


☆★☆★☆★☆★


〜ん・・・話としてはまずまずのコンセプトなんですけど(近未来好きだし)、数々の疑問が喉にひっかかったままの作品でしたな。
その疑問をあげてみます。


その1
映画の中では上司(マックス・フォン・シドー…大好き♪)がうまく犯罪を偽装していますわね。
デジャブという二重予知はファイルを削除するというシステムを利用して犯罪を偽装しています。
しかし、殺人予知のレッドボールは予知後すぐに作成されていましたよね。
ということは上司の犯罪を予知した時点で名前が刻まれたレッドボールがでるはずっしょ。
う〜ん・・・納得できませんな。


その2
全米でこの犯罪システムを導入するという会見を開いていましたがここでまた疑問。
3人の犯罪予知者はつくられたものではなく、偶然的に生み出されたもの。
はたして3人だけで全米をカバーできるのでしょうか。


それに、これだけ大掛かりなシステムになれば法案も必要だし持続的なものでなければならないはず。
はたして3人の寿命後はどうなるのでしょう?


それに、あの3人はどう見てもかわいそう。あれで世論が納得しているとは思えません。
あの木の玉もナンセンスかな・・・ 
例えば3台のコンピュータで、次元や時空を操作し予知できるような設定にした方がスピルバーグっぽかったかも・・・
それをホモグラフィで立体化するとかさ


その3
トムが殺人を犯す現場ですが、あれは予知がないとたどりつけないところ・・・とすれば予知する時点であのような未来はなく予知もできないはず。
なにかのきっかけがあってあの男と会う設定ならつじつまがあうんだけどね・
まだまだたくさんの疑問があって、ちょっと納得できないつくりになっていました・・・残念。
しかし、映像やそれほど細かく考えないなら映画としては悪くないです。



少なくとも、あたしゃキャストで充分満足しましたし。
マックス・フォン・シドー、いったいいくつなんだ、このじーちゃんは。
エクソシスト」のカラス神父との「出会い」から、いったい何年経ったんだ?
でも、いいや。相変わらず抜群にいいし、抜群にダンディだし、抜群にかっこいいから。


ピーター・ストーメアがまたしてもやってくれました。
こういう小汚い役が合うんだよな、この人は(「だんさーいんざだーく」では、善人やってて驚いたもんです)
好きだけど、おいしいけど、あたしだったらこいつんとこに眼の手術してもらいには行きたくないなあ


出てきた瞬間「うわー!!」と声が出たのがティム・ブレイク・ネルソン
監督としてもいいけど(「O(オー)」最高でした♪)、やっぱ役者として観たいですもの。
この映画の中で1番好きなのは、彼の演じたギデオン…いや、まあ、そりゃてぃむぶれいくが演じてたからだろうけどもね。


ショックだったのはジェシカ・ハーパー(溺死したおばちゃん)
この人、あたしが子供の頃に「神経質っぽいけど、綺麗な人だなあ」って一時憧れた人なんですわね。
【決して一人では観ないでください】というキャッチコピーが流行語となった「サスペリア」のヒロイン。
その後「フロム・ザ・ダークサイド」っていうTVシリーズ「ティア・コレクター」で涙腺が異常に弱い娘をやってて、
【逢った】のはそれが最後かな。


数年の差があったとは言え、ほぼ同じ時期に「初対面」だったジェシカさんとフォン・シドーさま。
シドーさまの年齢の食い方にさほど違和感がないのに比べ、こちらはまあ…


んー、まあ「おっちゃん→じいちゃん」への流れと「おねえさん→おばちゃん」への流れの違いなんだろうけどもね。
いや、ほんとビックリ。自分が年とったんだなあってほんとにしみじみ感じちゃった。


うん、まあ、悪くなかったですよ。ただ、納得いかないとこがあるってだけで。
え?トムちんに関してなにも書いてないって?
んー…そうですね「なにをやってもトム・クルーズ」、「おまわりさんをやってもトム・クルーズ」でした、はい。