昭和歌謡大全集

昭和歌謡大全集 [DVD]

昭和歌謡大全集 [DVD]


試写会
九段会館
みはるちゃんと

東京・調布市
イシハラ(松田龍平)、ノブエ(池内博之)、ヤノ(斎藤陽一郎)、スギヤマ(村田充)、カトウ(近藤公園)、スギオカ(安藤政信)ら、少年6人は、
定期的にカラオケ・パーティを開く仲間。
ある日、神経症のスギオカが、買い物帰りの主婦(内田春菊)を殺してしまう。
その主婦の名はヤナギモトミドリで、メンバー全員がミドリという名の親睦会「ミドリ会」に入っていた。
イワタ(鈴木砂羽)、ヘンミ(岸本加世子)、スズキ(樋口可南子)、タケウチ(森尾由美)、トミヤマ(細川ふみえ)ら、ミドリ会のメンバーは、
これは「おばさん」を馬鹿にした犯行だと、犯人を見つけ出し復讐することを誓う。
こうして、血で血を洗う壮絶な戦いが始まった。


☆★☆★☆★☆★


いやいやいや、2003年の邦画にこんな隠し玉が残されていたとは。


すごいです、ほんとにすごい。
「え??」「うっそー」「だははははー」「うげ」
笑って、呆れて、胸がつまって、観終わった後に「うわわわわわわ」


「うわわわわ」ってのは、どういう反応すればいいのかわかんなくなってんだな
「な、なんなんだこれはー」って。
一昨年「鬼が来た!」を観た直後に感じた、あのあらゆる感情が渦巻く状態に近いもんが。
あそこまでどかーんではないんで「プチ鬼が来た!状態」ってとこですか。



諸事情で最近うちに居候してるあんちゃんがチョイ役で出てるっていうのと
連れのみはるちゃんが安藤政信くんが好きだってのと
あたしが村田充さん(BR2でチェックして、以来出演作一気に借りて来て観たっすわ)観たいってのと
松田龍平がどんな感じかな…ってくらいのスタンスで鑑賞したらどわっ!!



タイトルからは想像もつかない展開。
全編非常にタチの悪い「おいおい」で占められてるんだけど、異常に大好き。


オバさん側にしろ、少年側にしろ、どっちも筋が通ってるわけぢゃない。
「だからなんでそこまでやるかなあ」って確かに思う。でも、そんなのどうでもいいくらい、映画に呑み込まれてしまい
「ああ、もう、どうでもいいです。好きにしてください」


脇を固める原田芳雄市川実和子(大好き)がもう滅茶苦茶良い。
津田カンジくん(座頭市ではどこにいたんだ??誰か知ってたら教えて下さい)もいい。
彼はちょっとしか出てこないんだけど「あー、津田ちんだあ」…嬉しくなってんの、馬鹿です、あたし


うん、ストーリーは「助けてください」なんだけど、役者一人一人を観てすっごく楽しめるですね。
特にあたしは村田充さんひたすらチェックでした。
飄々として、妙な色のオーラが漂ってそうな佇まい。
絶対体温低そうだよな、なんて思わせる風情。
怪しいし、わけわかんないんだけど、とにかく目が離せなくて(蛍光灯に向って【復讐】を語る姿がツボ)。
ボンデージ姿の色っぽさっていったら、秀逸でしたね。綺麗だな、妖艶だな、惚れちゃうなあ。


そしてあたしは、ラストに物凄いものを観ました。
顔が似ているわけでもないのに、龍平くんに「パパの血」を見ました。


「蘇る金狼」と、ちょっとだけ似てるシチュエーションだったからかもしれない。
台詞も状況も全く違うんだけど、全身から発散される雰囲気は、優作パパがそこにいるのかと思った。いやまぢで。
そうかあ,似てない父子と思っていたけど、やっぱ親子なんだなあ。
ほんとに、鳥肌が立つくらい感動した。ああ、優作さんは死んでないんだ、ここにちゃんと継承されてるんだなあ、って。
まあ、こんなこと思ったのあたしだけかもしれないし、「なにいってんだよ、全然ちげーよ」だったらごめんなさい。


参りました。ほんとに。
感動したわけでも爆笑したわけでもないんだけど、どういうわけだか頭を離れないんだな、この映画の全部が。


今年三本目の「通う映画」になりそうな気がします。
でもこれ、一人でぢゃなくて、誰かと一緒に行って、その人の感想を聞きたいなあ。