アウトライブ

アウトライブ [DVD]

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DVD


元朝の中国。高麗族の青年ジナ(シン・ヒョンジュン)は、モンゴル族の将軍の娘ソルリ(キム・ヒソン)と深く愛し合いながらも、引き離されてしまう。
ある日、ジナに武術のすべてを教えてくれた叔父が襲われた。高麗族に伝わる武術の秘伝書「飛天神記」が狙われたのだ。
秘伝書を守り、ソルリを追いかけて紹興へ来たジナは、ソルリが漢族のジュングァン(チョン・ジニョン)に嫁ぐことを知る。
ソルリをめぐる戦いで、モンゴル族の矢を受けたジナ。一命を取りとめたジナの心には、復讐の火が燃え始めていた。


☆★☆★☆★☆★

(いきなし「あふー」が出ます。ってーか、全部がそうだと思われるので、引き返す人はここまでで)


…あ、あ、あ、あ、あ、あんちゃんー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


なんであたしはこの作品を映画館で観なかったんだろう。
今年の正月映画だったってのに、なんで???


(そんとき、韓国映画ったら「火山高」しか目に入らず、あの映画のリピーターになってたからだな)


これ、ほんとにでっかいスクリーンで、いい音響で観たかった。
あんちゃんの存在を知らなかったとはいえ、「なんてこったい!!」って言葉しか出てこないざんす。


少林サッカー」のチームが手がけたCG&ワイヤーをこれでもかとばかりに使ったアクションが凄い。
地面に剣が刺さると地割れが起こり、砂埃が舞い、「敵」がばったばた倒れるんですもの。
「グリーン・ディスティニー」ほど大袈裟ではないものの、常識では考えられない高さに飛びあがり、剣を振り下ろす。
…か、か、かっこえー。


確かに無意味にくるくる回転してることが多いアクションシーンだけど、映像が妙に幻想的で綺麗だから、全然おっけー。
日本のチャンバラテイストがちょっと入った中国剣技ってのは、見てて愉しくて。
いっやー、こんだけでも観る価値あるですなー


にあんちゃんを助太刀するチョン・ジニョン(かーなーりお気に入りの役者さん)が扇子で闘う場面なんて
「ぎゃーっはっはっはー、まいりましたー」ってなっちゃった。



原作(漫画)のファンからは「ダイジェスト版みたいだ」と不評。でもいいの、あんちゃんかっこいいから。
シン・ヒョンジュンは確かにジナ役が合ってたけど、この人ってこういうのばっか」と不評。でもいいの。あんちゃん素敵だから。


あんちゃんは、ほんとに「悲愴」が似合うなあって、しみじみ思いましたさ。
恋人と引き離され、ずっと育ててくれた叔父が殺され、
親友になるべくして出会った男は、恋人の婚約者だった。


「復讐」に燃える目もいい、ぞくぞくする。でも、そのあとのやるせないような、自分の居場所がみつからないような
とにかくその寂しい目がそそるそそる。
常に傷だらけ、身体の傷が治ってるときでも心は常に傷ついてる。
そばにいて、尽くして世話してあげたい。抱きしめてあげたい。
ユ・ジナの心を癒してあげることなんて出来ないけど,一瞬の安らぎだけでも与えてあげたい。
ああ、もう、あたしったらすっかり壊れてるわ。馬鹿だわ。


最後の戦い直前、ソルリ(この人がもう滅茶苦茶かわいくてきれいなんですわ)を抱きしめて言う。
『どうしたらいい?』


ここまでこじれてしまい、ここまできてしまった。
もう、どうしたらいいかわからない、どうなるのかも、もうなにもわからない。


そんなジナが最後に選んだ道に、涙が止まらなくなってしまいました、あたし。


その姿にかぶさる、この台詞。


「私の名前はソルリ。あなたは?」
「ジナ」


…涙腺大爆発、もう、シャレになんないくらいの大泣き。
ハッピーエンドになるはずはないと思っていた。こうなることはわかってた。でも、それでもどうしようもなく泣けた。


あんちゃんがソルリの兄ちゃんを見つめる目、そしてソン少年へ向けた目、これがもう涙腺爆発の引き金でした。


いやー、いいですわ、この作品
劇場で鑑賞できなかったのがつくづく悔やまれますな。


音楽よし、ストーリーよし、映像よし、アクションよし、あんちゃんも文句ナシで最高。


キャストもいいです、はい。
ジナと「親友」になれそうな出会いはしたものの、同じ女を愛したことから苦悩するチョン・ジニョン。
この人がもう、めっちゃくちゃ良い。


ガン&トークス」のチョ検事補も抜群に良かったんだけど、このジュングァンもまぢで良い。
ソルリに対する想いが、報われないとわかっていても愛し続けてしまう姿が涙を誘うんですもの。
「やっと親友になれたな」とジナに告げて「去る」姿…惚れましたね。あんちゃんの次の次ですけども。


ジナの両親の仇でもある、ソルリのとーちゃんタルガを演じるキム・パクチョル。
この「コリアンこてっちゃん」は今回もオイシイ。
元は舞台役者で、シェイクスピアをやってたらしいですが、うまいですね、やっぱり。
馬鹿な役も、冷徹な役も、どんな役でもこなす、名バイプレーヤーです。
この人が出てくると、もうわくわくしちゃいますもの、うれしくて。


そしてそして、ジナを助けるアシン役のキム・スロくん。
…意外。この人って、「善良ないい人」は似合わないだなあ。
「頭は悪いけど人のいい顔」って感じだったから、いけそうな気がしたんだけど。
悪くはない。でも、なんだかそれだとつまんにゃいの。存在感が消えてなくなるの。
あんちゃんと彼のツーショットなんて、あたしには「夢の共演」なんだけど、今回はあんちゃんに目が行きましたねー。


でも、この人のバトルシーンはさすがだなって思いました。
背が高い、ガタイがいい、足が長い。
だから回し蹴りなんてかまされた時には「だひゃー!!」…ああ、これをでかいスクリーンで観たかった!!!
剣を持ってる人たちに、「素手」で立ち向かったもんで、あっさり退場してしまいましたけどね。
でも、椅子にがんじがらめで縛られてる姿が、そそりましたわ。
「なんだー、脱がないで終っちゃったのかー」…あー、もー、すっかりエロババモード全開でしたね。


他にも「友へ チング」の優等生サンテクくんが、あんちゃんを陥れる悪党で出てたり
(いやー、悪人顔だったのね、彼。知らなかったなあ)
そろそろやっとこさ顔を覚えてきたいろんな方々が出てきて、愉しい限り。


というわけで、もし世界中の人がこの作品を「クソ映画」と呼んだとしても、あたしにとっては『おおあたりー!!』
★を5個、いや、10個あげてもいいくらいの大当たりです。


あんちゃんオカズ映画でもあり、いろんな面で愉しめたし、ラストは泣いたし、はい、満足でございます