スパイ・ゾルゲ
- 出版社/メーカー: 東宝
- 発売日: 2003/11/21
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試写会
神保町・一ツ橋ホール
みはるちゃんと
1933年、ソ連から送り込まれたスパイ、ゾルゲ(イアン・グレン)が、ナチス党員を装って日本のドイツ大使館に潜入。
ゾルゲは新聞記者・尾崎(本木雅弘)らの協力を得て、日本の機密情報をモスクワに送るが、彼自身も時代の波に飲み込まれていく。
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…あいたたたたたた。
いえ、内容ではなくて、終った後の肩と首と腰。
だって182分なんですわ、この作品。長い長い、とにかく長い。
観ているうちは気がつかなかったんだけど、終ってからの「痛み」が長さを物語るってやつです。
篠田正浩監督の「最後の作品」ってことらしいですが、いやいやいやいや、ほんとに「渾身の1作」ってやつでしたわ。
顔ぶれがまず、凄い。
本木さんとかのメインどころの方々を始めとして、上川隆也(地雷ですが、あたしはこのあんちゃんのどこがいいんだかさっぱりわかりません)
椎名きっぺーくん、吹越満さん(大好き)、大滝秀治(実はあたし、この方を勝手に「亡くなった」と思ってました)さん、
「あららら、お久しぶりです」榎木孝明さん、そしてもちろん、監督の奥様・岩下志麻ねーさま。
人気があるとか「旬」とかでなく、こういう「いい役者」を揃えてしまうとこが、あたしは凄く好きですね。
へんなアイドルを宣伝のために出したりしないとこが、個人的にはかなり評価高いっす。
(まあ、若手女性陣の葉月さんは「いただけないなー」って思ったけども。小雪さんは良かったです。
まあこれはあたしが小雪さんを好きだからってのもあるんでしょうけども)
で、内容なんですが…
重たい重たい、テーマが重たい。
満州事変、第二次世界大戦、ナチスドイツ・・・あいたたた。
アメリカも、日本も、ドイツも、ソビエトも、どこもかしこも、とにかく世界中が『間違っていた』この時代。
「粛清」っていう言葉は、本で読んだりで頭でちゃんと理解はできているものの、
それでも映像として観てしまうと、ほんとにつらい。
「粛清」ってのは、「魔女狩り」と通じるもんが…ってーか、同じものなんだなあ、と。
実際にその「組織」に志願して入って、組織のためには命もいらないって人ならまだいいでしょうが、
まるっきり無関係な、ただその人と知合いだったとかってだけで、とばっちりくらってしまうのはやだな。
(ゾルゲのかみさんなんて不憫もいいとこ)
テーマが重いんだけど、展開は早い。
「イベント」が起こって、次の瞬間には「三年後」とかそんなんばっか。
んー、どうなんだろうなあ。
悪くはなかったんですけど、篠田監督は「有終の美」を飾るのに、もう一本頑張ってみたほうがいい気がするんですけども。
テーマは重い、深い、セットやロケに金がかかってて、見てて感嘆。
あたしの中では男前カテゴリに入っていた榎木さんに、あんな表情(特に目ね)があったなんて、驚きもした。
でも、なんも心に残ったりするもんはなかったですな。怒涛の疲労感と「あいたたた」って腰の痛み。
まあこれは、あたしが実はスパイもんとかってのが守備範囲ではないからってのもあるんでしょうけどもね。