BULLY(ブリー)

BULLY / ブリー [DVD]

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シネセゾン渋谷
ししょーと


落ちこぼれのマーティ(ブラッド・レンフロ)は、友人ボビーの横暴で支配的な態度にウンザリ。
恋人やその友人たちに後押しされ、彼はボビーの殺害を決意する。
彼らは計画を練り、犯行におよぶが、思わぬ事態が彼らを苦しめることになる。


☆★☆★☆★☆★


実話をベースにした「若者の犯罪」をドキュメントタッチってやつで描いた作品のようです。


いやいやいやいや、まいりましたね。
序盤からいきなし「をいをいをいをい」ってムカついてくるし(ボビーもアリもあたしは嫌いだ)
中盤は「こらこらこらこら」って頭くるやらいらつくやらで、終った後の後味が悪いのなんのって。


ボウリング・フォー・コロンバイン」を観たばっかだからか、口をついて出て来るのはこの言葉だけ。




アメリカって、やっぱ絶対なんか




間違ってるよ】



いやー、若いって行動力ですね。馬鹿ですね。凄いですね。
後先考えずになんでもできちゃうんですね。
あたし、もう若くなくてよかったなーって真剣に思いましたわ。



人を殺すってことは、相当な覚悟のいることだと思うわけで、
しかもそれを行うとしたら、その事実を知っている人間は少なければ少ないにこしたことはないわけで。
まあ、あたし殺人やらかしたことないから実際のとこはわかんないですけどね。


笑えないテーマで、笑えない状況なんだけど、そこは監督の力なのかどーなのか、
ところどころ苦笑が浮かんでくる。
特に、殺人を遂行したあとの、かなり壮絶なチクリ合戦とか。
「だからさ、やったもん同士で話し合えばいいぢゃん。なんでそうやって無関係な人にさー」


レンフロくんの恋人なんて、ずーっと「殺すのよ」って一貫して強固な意志でいたくせに
(そりゃ1回目はビビってしまってたけどね。なんのかんの言訳してたけど)
終ってからは「あたしは大丈夫よね?」とか自分だけは逃げようと馬鹿なことぬかしてるし。


ってーか、この恋人同士は馬鹿なんですわ。
「妊娠した」って告げにきたねーちゃんを殴りつけるレンフロくん(だったら最初から避妊しろっての)、
殴られて泣き伏すねーちゃん。
しかーし、数分(映画の中では数日)後にはこの騒ぎを忘れたかのように、いちゃいちゃべたべた馬鹿ップルまるだし。





…あかん、馬鹿だこいつら。






あたしはこの映画、非常に哀しかった。
内容とは全然違うとこで、本気で哀しかった。





【ついにブラッド・レンフロも崩れたか…】





イライジャ・ウッドは「危険な遊び」んとき本当に可愛かった。でも今はフロド・バギンス。崩れた。
エドワード・ファーロングは怖いくらいに綺麗だった。ドラッグとアルコールのせいで崩れた。
ブラッド・レンフロは「依頼人」でとてつもなく可愛かった。「ゴールデンボーイ」でも崩れてなかった。
【こ、これは、ついに「崩れない美形」が出たか??!!】とあたしは喜んだ。
本当に大丈夫だと思っていた。


…残念ながら、その喜びは今回までとなりましたさ。
へにょーっと間延びした顔でヨダレ垂らして泣かれてしまったもんで、愕然としましたさ。


いやいやいやいや、やっぱ美少年ってのは成長に従って崩れていくんだな、って
【世の無常】ってもんを感じたなあ、あたし。


マイケル・ピット@「ヘドウィグのトミー・ノーシス」は悪くなかった。
ってーか、「完全犯罪クラブ」といい、「ヘドウィグ」といい、このあんちゃんってこういう役ばっかなんだけども。
でも、自分がどういうキャラで、それをどう生かせばいいかわかってるみたいで、「あー、うまいなー」って。
まあ、これが続くようなら、1年くらいで飽きそうな気はするんだけどもね。


観て良かったとは思う。終ってからあーだこーだって本当に長いこと話し合ったし。
ただ、人に薦めるかどーかってなると…うーん、あたし薦めないだろうなあ。ってか、人を選ぶな。


良く出来た映画だとは思うけど(途中、延々ぐるぐるカメラ回すもんで、酔いそうになったけど)
あたし、もっかい行こうって誘われても多分行かないな。多分、でなく、間違いなく。