ロスト・イン・ラマンチャ

ロスト・イン・ラ・マンチャ [DVD]

ロスト・イン・ラ・マンチャ [DVD]




試写会
千代田区公会堂
みはるちゃん・ひつじちゃん・かどいちゃんと


未来世紀ブラジル』『バロン』『12モンキーズ』…、
他の追随を許さない圧倒的な映像世界とストーリーテリングで観客をうならせてきた鬼才テリー・ギリアム監督。


待望の最新作「ドン・キホーテ」が始動!!
主演はハリウッドきっての実力派ジョニー・デップ、共演は彼の現在のパートナー、ヴァネッサ・パラディ
そしてフランス映画界の重鎮ジャン・ロシュフォール


総製作費50億、舞台は17世紀のスペイン、
ラ・マンチャの地、タイムスリップしてきた現代のエグゼクティブ、ジョニー・デップが繰り広げる愛と冒険の旅!!
そして彼らに降りかかる突然の雷雨、上空を飛び交うNATOの空軍機、
ドン・キホーテを演じるロシュフォールの異変…、この空前の超大作に、一体何が起こったのか!?


☆★☆★☆★☆★


笑えます。ほんとに笑いました。
でも、笑ってはいけない気がしてくる作品でもあります。


だって、この天才監督が不憫で不憫で…


ずーっと長い間、構想を練って、心の底から作りたかったのがこのドンキホーテ映画。
滅茶苦茶憧れていたドンキホーテ


製作が決まって、撮影前の打ち合せしてる時とか、ほんとに嬉しそうです
「くー!!かわいいぞ、このおやぢ!!」


夢が叶った少年のようです。
生き生きして、目が輝いていて。


そりゃそーです。だって、頭の中ではもう何度も完成させて、細部まで完璧なまでに出来あがっているんですから。


セットや小道具を準備する段階、指示する姿も楽しそう。
「脳を半分切り取りたいわ。だってどんどん新しいアイデアがわいてくるんだから、困っちゃう」って
スタッフの女性が苦笑しながら言います。
そう言われて、また更に楽しそうです。


監督、人生最大といっても過言ではないくらいの夢が叶いそうです。
そりゃ嬉しいでしょう。結末を知らなければ微笑さえでてきそうです。
(チラシで「撮影は6日で中止」って知ってたのだ)


こんなに幸せ、こんなに愉しい。
でもじわじわと暗雲が漂ってきます。


準備は完璧、でも役者が誰も現地に来てくれないんです。
ヴァネッサ・パラディのエージェントって、ちょっと問題かもしれないぞ)


やっとやってきたロシュフォール。監督めちゃくちゃ嬉しそう。
このフランスを代表する役者さんは、英語を必死で勉強したそうで、この役に対しての意気込みが凄い。
ドンキホーテの扮装も、他の誰もできないだろうってくらい似合う。そのもの。


ジョニー・デップもやってきた。さて、いよいよ撮影開始!!!



…だめだ。こっから先は思い出すだけで不憫で哀れで可哀想で…


この作品、すごいです。
多分、最初は「メイキング」とかでDVDの特典映像にするつもりで撮影してたんでしょうね。
でも、それが結局、こういう流れになったんでっていう、「ひょうたんからこま」みたいなかんじで。
アンドキュメンタリーってのかな、ほんとにこういうの初めてで。


面白い。すごく笑える。でもほんとに可哀想で不憫。


この映画、あたし、おすすめいたします。
完成したらどんだけ物凄いもんができるか、観たいんですもの。
だから監督にこの作品、また撮影開始させてあげたい。


今、撮影権を保険会社が持ってて、監督はそれを買い戻すために頑張っているんだとか。
多分この映画もその一環なのかもしれませんわな。
だから、クチコミで広めてあげたら、少し協力できるかな、なんて偉そうな事ちょっと考えてます。


いつか「ドンキホーテを殺した男」が映画化されることが出来たら、
そのときはこの作品をDVDの特典映像として「こんなこともあったなー」って監督も笑う。
実現することを、心の底から祈ってます、まぢで。