北京バイオリン




試写会
千代田区公会堂
みはるちゃんと


中国北部の田舎町で父と二人で暮らす13才の少年リウ。
母の顔を知らず、その形見のヴァイオリンを幼い頃から弾き続けてきた彼は、今や地方コンクールで優勝するほどの腕前だ。
男手一つでリウを育てた貧しい父は、そんな息子の天賦の才能を信じ、必死に稼いだわずかな蓄えをたよりに、成功を夢見て北京へと旅立つ…。


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チェン・カイコー、あたしの人生でもベスト10に入る名作「始皇帝暗殺」の監督。
そして昨年の(あたし的)ワースト3に入る「キリング・ミー・ソフトリー」の監督。


その監督の作品、さて今回はどっちに出るか??ってなわけでちょっと不安。



…参りました。
この作品は本当に素晴らしかった。
あのクソ映画「キリング・ミー・ソフトリー」はなかったことにしてあげちゃうってなくらい良かった。


出てくる人がとにかく皆さんいい。
二人の先生(一人は監督自らが演じていらっしゃいます。雰囲気は岸部一徳さんみたいです)も、
となりのマンションのおねーさんも、その恋人(とんでもねー男だけど、おいしい)も、
そしてなによりおとーちゃん。


このとーちゃん、最初は笑えて、途中は「おいおいー!!」ってイライラさせられて、
でも最後はもう滂沱の涙を溢れさせてくれましたさ。


あたしは「親子」ものには弱いんです。特に「父と息子」ものにはもう無条件で涙腺大解放。
選抜大会の前夜の父子の姿にはスクリーン見えないぞってくらい涙してました。


父の愛は凄いです。
このおとーちゃんの中盤の「それはいかんだろ」って行動も、全部許せてしまうくらい大きい愛。
本当に久々に感動しましたよ、あたしってば。


確かに、つっこむとこはたくさんあります。
でもそんなのを封じてしまうくらいの「愛」と、素晴らしい音楽。


参りました。
監督、「キリング・ミー・ソフトリー」のことは水に流してあげますわ、もう(すっげえらそう。ごめんなさい)


こういう映画に出会えるってことが、映画好きの幸せなんだなーって、
そんな気分で帰途につけた作品でありました。